ごめんね
手術後数日間は、転職先に入社できるかという心配の他に、いろいろなことを考えました。
目が覚めたら人工肛門、それを受け入れる心の準備はできていなかったのです。
手術の夜ICUで過ごした後、翌朝病室に戻りました。
熱が高く、暑いと思ったら急にガタガタと寒気がきたり、腰が痛くて枕をもらって当ててみたり、落ち着きませんでした。
夜には、スマホを見られるくらいの体調にはなりましたが、子どもたちにLINEはできませんでした。
手術が終わってから、ずっと子ども達や両親に申し訳ないと思っていました。
高校生の娘は、入院の数日前から、「お母さん、大丈夫だよね。手術、ちゃんと終わるよね?」「お母さんに何かあったら生きていけない」「麻酔で目が覚めないとかないよね」など、不安な気持ちを訴えてきていました。私は「大丈夫よ。毎日すごい数の手術が行われていて、麻酔もみんなかけられて、でもほとんどの人が大丈夫だもん。大丈夫だと思うよ😊」と、重くならないように、大丈夫を連発していました。
また、離れて暮らしている両親も心配して、父は「それ(手術)はやらなきゃダメなのか。なんとかならんのかなあ」と言い、病気がある母は「もうお母さんはそちらに行って手伝ってあげることもできない。ごめんね。頑張ってね。」と言ってくれました。子どもの受験が終わってから春休みに会いに行こうと思っていたら、コロナが流行り出し、それからずっと会えていない状態だったので、両親も心配だったと思います。
父と母には、「無事手術終わりました。今週中には退院です。心配かけました!」と連絡するつもりだった。
子ども達にも、「終わったよー😄今週中に帰るよ。待っててね!」とLINEする予定だった。
「お腹に人工肛門を造ってまた入院して手術するの」と伝えるのは辛過ぎて、その日は誰にも連絡できませんでした。
夫からの連絡で、子どもも両親も結果は知っていたはずでした。
夜、娘から、写真が送信されて来ました。
食卓に肉炒めがのったお皿や味噌汁、それを食べている息子です。2人で料理して、頑張っているなあ、こんなに大きくなっているのに、2人とも、なんて可愛いのだろう💕
すぐに返信しなくてごめんね。
なんて言ったらいいかわからないの。
大丈夫だよって言ったのに、あまり大丈夫じゃなかった…ごめんね。
日付が変わってから娘にLINEしました。
「ありがとう。ゆっくり話そうね。」と送りました。
涙が止まりませんでした。